「囲碁で人工知能が人間に勝った」や「人工知能を使って競馬でお金を稼いだ」など最近よくニュースなどで耳にしますが、「人工知能」や「ディープラーニング」のことについて、しっかり理解していますか?よく耳にする割に、よく分かっていない人が多いと思います。これらの技術よって、数10年後の私たちの生活は便利なものになる反面、仕事を失う人が大量にでてくるなどとも言われているなど、私達が知っておかなければいけない問題であると私は思います。

今回はそんな人工知能とディープラーニングについて、非エンジニアの方でも分かりやすいように説明します。

人工知能とは

人工知能はAI(artificial intelligence)と略されることが多いです。実は人工知能についての確かな定義はないのですが、簡単に言えば「人工的に作られた人間の脳のような知能」です。これをもう少し詳しく説明すると、「人間の言語を理解できる」、「論理的な推論・考察を行うことができる」、「経験から学習することができる」などのコンピュータプログラムのことで、画像理解、音声理解、同時翻訳などの技術に応用されると言われています。

ロボット

人工知能の歴史

最近騒がれている人工知能ですが、実は今までに2回AIブームが来ています。1回目のブームは1950年代、2回目は1980年代に起こりました。

第1次AIブームでは大量のデータベースから情報を探索し、その情報をさらに大量のデータベースの情報を元に推論するというもので、囲碁でAIが人間に勝ったのは、まさにこの「探索・推論」のアプローチによるものです。

第2次AIブームでは、知識を入れられたら入れられた分だけ賢くなる「知識表現」にフォーカスを置かれました。エキスパートシステムと呼ばれる感染症診断治療支援システムが、新米医師よりも診断が良かったです。

そして今回の第3次AIブームは、ディープラーニングの登場によって今までコンピュータに常識がないと言われていた部分が改善されようとしています。今までのブームでは結局、人間が教えた知識でしか判断できませんでしたが、ディープラーニングの登場によって人間が教えていないことについても、自分で考えて判断できるようになります。

ドローン

最近よく耳にするディープラーニングとは

ディープラーニングを理解する上で、初めにコンピュータの基礎的な学習方法について知っておく必要があります。学習方法の1番基礎の部分は「分ける」という処理です。ある事象について判断し、それが何かを認識します。簡単に言えば「分ける」作業は、色んな質問に対して、Yes Noで答えることです。

今までのブームではこの質問に当たる部分を人間が教えていました。りんごを例にして説明すると、まず「どの部分からりんごと判断できるのか」という特徴量を、人が人工知能に教えて、その特徴量をりんごの概念として覚えてもらう必要がありました。

ディープラーニングとは、この特徴量を自ら探し出す技術のことです。このディープラーニングによって今までなかなか実用化されなかった人工知能が一気に実用化レベルにまで拡張されると言われています。

現在使われているディープラーニングの技術

AIチャットのTay

MicroSoftがAIチャットのTayを開発しました。Tayはユーザーから送られてきた画像について感想を言ったり、ジョークを言ったりすることができる人工知能です。しかし、ユーザーがTayに差別的な暴言を浴びせていくうちにTayはそれを学習してしまい、ユーザーにも差別的な事を言ったり、ナチスを賛美するようなことを言うようになってしまったため現在はサービスを停止しています。

自動運転技術のGoogle Car

Googleが開発した自動運転車「Google Car」にもディープラーニングが深く関わっています。自動運転車は、様々なセンサーから取得したデータをAIで処理して、自動運転を行う車で、早くて数年後には実用化されると言われています。

感情エンジンの搭載したPepper

softbankショップに行くと、店頭に立っているpepperくんですが、彼には感情エンジンが搭載されており、人間の感情を汲み取ることが出来ます。これによってユーザーの悲しみや喜びに共感できるのですが、これもディープラーニングの技術の応用と言われています。

pepperくんの詳しい情報については次の記事を参考にして下さい。

参考記事
最先端IT技術!おもしろロボット『pepperくん』

自動運転技術

人工知能がつくる私達の未来

今後人工知能が私達の生活にどのように影響してくるのでしょうか。2014年にオックスフォード大学は「10年以内に半分の職業がなくなる」と発表しました。会計業務、飲食の接客業、事務仕事、レジ業務、コールセンターの電話対応などをAIが代わりにやるようになると言われています。社会が効率化されると言えば聞こえは良いですが、大量の人が職業を失うことになります。

いずれは人工知能が人工知能をつくり、世界を支配するのではないかという恐ろしい予測までされています。そうなると本当にターミネーターやアイ, ロボットなどの映画のような恐ろしい世界になってしまうかもしれません。AIが実用化される社会については賛否両論が有りますが、私たちは、人工知能が誤った方向に開発されないか監視し続ける必要があるかと思います。