異なる国籍の創業者のスタートアップ~Jana care~

今回インタビューしたのJana careという企業になります。インドとアメリカに拠点を持っているスタートアップです。創業メンバーのJanaさんとmichelさんはアメリカのmit在学中にお会いして、卒業後バンガロールで起業されました。Jana careはインド出身の方とカナダ出身のお二人が始められたスタートアップです。

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:Michalさん:Janaさん

 

まずは自己紹介をお願いいたします。

Janaさん:インドからアメリカに渡りしばらくの間、留学をしていました。また、その過程で創業者のMichalと出会い医療をテーマにした会社を立てることを決意しました。

Michalさん:Mitで科学の博士号を取得した後しばらく研究者として働いていました。その後、彼と一緒に起業しました。

 

インド出身とカナダ出身のお二人で会社を興しましたが、起業先としてなぜバンガロールを選んだのでしょうか。

Janaさん:選んだ理由は二つあります。一つ目は、私たちのサービスは医療に携わるものです。医療サービスというのは国の法律に非常に左右されます。アメリカの医療への規制は非常に厳しいです。また私たちのサービスは糖尿病の患者のためにあります。インドに住む人々は他の国に住む人々に比べ生活習慣病患者の割合が非常に高いです。私たちがターゲットにしている糖尿病患者の数だけで約6000万人いると言われています。日本の人口の半分が糖尿病患者なんです。笑そこで自分たちが解決したい課題がある国がインドだった、それがもう一つの理由です。解決したい課題がアフリカにあるのであればアフリカに行きますし、ヨーロッパにだって行きます。

Michalさん:彼と同じ理由です。笑 また彼はビジネスマンとして非常に優れていたし、僕はエンジニアでした。お互いにできることが違っていたし、チームを組むにはベストな選択だったと思います。

 

会社を設立した当初について教えてください。

Janaさん:私たち2011年に会社を始まりました。先ほども言ったように、設立する場所も非常に悩みました。結果として僕の故郷でもあったインドを選択しました。会社を設立するにあたって大きな3つの困難がありました。一つ目が医療機関との接し方です。私たちは医療サービスを行っているため医療機関との結びつきが非常に強いです。なので私はオフィスには週の半分くらいしかいなくて残りの半分は病院などの医療機関に出かけています。医師の方たちにこのサービスを説明して、取り入れてもらうのにすごく時間がかかりました。二つ目は投資を受ける難しさです。私たちのサービス、プロダクトを開発するにはどうしても投資が必要でした。私たちは投資を受けるために多くのコンテストに出場しました。コンテストには多くの投資家が集まります。そこで自分たちのサービスが認められると多くの投資を受けることができます。また、そこで話題になるとメディアにもとりあげてもらい、認知度が一気にあがります。コンテストに多数出場したことで投資の問題は乗り越えることができました。

 

設立をしてから現在に至まで、つまり会社が大きくなるにあたってどんな困難がありましたか。

Michalさん:この会社を始めて3年経ちますが、困難だらけでした。笑 まずは優秀な従業員を集めること。それからこのサービスを使うユーザーを集めるためにはまず、医師の方の協力が必要でした。何度も病院に足を運びこのサービスを使ってくれないかと交渉しに行きました。今でこそ順調に進んでいて製品をよくする方に集中することができますが、当時は導入してもらうことに注力しなければなりませんでした。それから、肥満になるとどういうことが起きるのかということをユーザーに理解してもらうことがなかなか難しかったですね。インドの医療システムの問題としてコストが高いという点と、インドで最近になって入ってきたジャンクフードや、一部のインド人の食生活が豊かになったことでそうした流れにインドの医療が追い付いていないという問題がありました。ですが、一般の人々の問題意識は先進国の人たちよりもまだまだ低いです。なのでここの意識改革というものが会社を大きくするにあたっての困難であり、また今後も続いて行くと思います。

 

チームの話しになりましたが、優秀な従業員を見つけ素晴らしいチームを作るにはどうしたらいいでょうか。

Janaさん:まず、私たちのビジョンであったり、自分たちに共感をしてもらわなければならないです。私たちはスタートアップなので良い給料を出すことはできません。お金ではなく自分たちと一緒に達成したい何かがあるということを強調し、一緒に頑張って行く仲間を探しました。また優秀な仲間を見つけること自体がなかなか難しかったので、自分たちがビジネスコンテストのようなプレゼンテーションの場に立つことなどが効果的だったように思えます。

 

ヘルスケアのサービスを行っておりますが、現在の医療機関のどのような部分が問題なのでしょうか。

Janaさん:問題点は3つあります。具体的には「費用」「医療期間からの定期的なケア」「医療機関の質」です。まずは「費用」ですが、当山治療を受けるためにはお金がかかります。しかし、インドに住む多くの人は治療のために払うお金を持っていないです。二つ目の「医療機関からの定期的なアケア」ですが、インドという広い国土を持つ国において物理的な距離が遠く、病院に通えない人もいます。また都市部であれば常に混雑をしている病院があるなど医療機関に対するアクセスが非常に悪いです。これらの問題から医療機関と親密な結びつきを得ることが出来ない患者の方が多いです。三つ目の「質」ですが、これはまさに言葉の通りですね。笑 先ほども述べたようにインドという国はここ数年前よりジャンクフードなどが大量に入ってきたことにより、近年ではあまり見られなかった生活習慣病などが進行しています。一般人同様に医療機関もこの問題に対処しきれていないのが現状です。

 

具体的にどのような方法でこれらの問題を解決しようとしていますか。

Michalさん:私たちのプロダクトは、ヘモグロビンや腎臓機能や血糖の量を日常的に測ることができます。また、それに対し専門家と定期的に連絡を取り合うことができるようなプラットフォームを用意し、病状などのやり取りをしあうことで患者の方の健康状態を保つことができるのです。そのため上記にあげたような医療機関と患者のギャップを埋めることが可能です。日常的に使用する、スマートフォンやPCとも連携をしているのでいつでもどこでもアクセスができ常に自分の状態を把握できるようにしています。

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製品に関する使用方法について

 

今後の会社の目標を教えて下さい。

Janaさん:私達は常に顧客が何を欲しているのかを見ています。私たちが事業を始めた時、生活習慣病に苦しめられているのはインドに住む人たちでした。でもこの問題が他の国で起こったならば私たちはすぐにその国に行きます。国や場所などにとらわれずに自分たちのビジネスを展開したいです。実際にインドとアメリカ以外の国への進出も視野にいれています。

 

バンガロールは起業をする場所として向いていますか。

Michalさん:私たちが起業をして場所はコラマンガラというところですけれどもここには本当に多くのスタートップが立ち並んでいます。多くの起業家が近くで会社を立てているので自分たちもとても刺激を受けます。またここ、バンガロールはスタートアップ同士の交流会やイベントも数多く開かれており、それぞれの会社の製品のプレゼンテーションをする機会なども多いです。

Janaさん:近年、特に顕著になってきたのはインド人以外の起業家の人も増えたことでしょうか。自分のパートナーのMichalのように国を超えてここバンガロールで起業を使用とする人が増えていますね。

 

インドはアメリカのシリコンバレーに取って代わることはあるのでしょうか。

Michalさん:ありますね。近いうちにバンガロール発のAppleGoogleが生まれると私たちは信じています。ようやくインドでもスマートフォンやPCの普及率が伸びてきました。ITを主流に起業をする人は今後さらに増え、起業という風習がより活性化すると思っています。

 

インドで起業したい日本人にアドバイスをお願いします。

Janaさん:始めることはそんなに難しくないです。私たちは日本人の友達も多くいますが、彼らは慎重になりすぎている気がします。インドはまだ何もかもが発展途上であるのでこの機会に飛び込んでここで事業を始めることは良い経験になると思います。先ほども言ったようにここバンガロールには多くのスタートアップの企業があります。この地で企業をするだけで多くの刺激を受けることができると思います。そして国籍を問わずに議論をしたりお互いのプロダクトを見せ合う機会が多いのは非常に良いです。

インタビューを終えて

インドとカナダと国籍を超えて二人で始められたJana careですが、他の国を見てきた影響もあるのか独特な雰囲気を醸し出していました。インドの生活習慣病患者をターゲットにしたビジネスであり、お二人の解決をしたい!という情熱がとても伝わるインタビューでした。また、Michalさんは登山が趣味だそうで、来日した際に富士山に登ったという話しをされて、是非ともまた日本に行きたいとおっしゃていました。日本のことが好きな外国人はとても多く海外にいるとより一層日本人であることを誇りに思います。 

 

インドIT留学、こちらのインタビューがNHKで報道されました。

http://www.nhk.or.jp/kokusaihoudou/archive/2014/12/1203.html

文責:宇賀田開土 インタビュアー:大山尚輝・宇賀田開土