こんにちは!インターンの大山です。今回はインドの投資家とスタートアップをつなげるオンラインプラットフォームを提供しているLetsVentureさんを訪れました!インタビューしたのはLetsVenture共同創業者のShantiさんと投資家のメンターを行っているGaneshさん。アポイントの時間が突然変更になったにも関わらず温かく受け入れて下さいました。気になるスタートアップの投資。インドのスタートアップの投資環境に詳しいお二人にお話しを伺いました。

【インタビュイー:Ganesh Nayakさん(左) Shanti Mohanさん(右)】

 

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Shantiさんは1998年までアメリカで働いており、バンガロールに戻ってからはヒューレットパッカードのセクションマネージャとして働いたのち、2013年には会社を立ち上げ、今は会社の立ち上げからおよそ1年が経っています。Ganeshさんは大学時代はエンジニアリングを先行しており、Mentor Squareという企業で3年間働いたのち、LetsVentureにアナリストとして参画しました。彼は日本の武道が好きということでバンガロールで日本人に武道を習ったことのあるインド人から手ほどきを受けており、来年には日本にいきたい言っていました。今回はそんなお二人にLetsVentureの魅力を伺いました。

 

 

  Q:事業の概要について教えてください

 

(Shantiさん)LetsVeutreは投資家とスタートアップのオンラインプラットフォームです。LetsVentureが運営するサイトではスタートアップが自分のプロフィールを登録することができ、彼らはオンライン上で投資家とつながることができます。LetsVentureの目的はスタートアップが投資家から投資を受けやすくすることです。今日では675,000ものスタートアップがサイトに登録しています。投資家世界の中で19の国から集まっています。その中には2人の日本人のインキュベーターと投資家がいます。これからインドのスタートアップに投資したい日本人の投資家も増えると嬉しいですね。

(Ganeshさん)LetsVentureが頂く分はスタートアップが投資された金額の2%になっています。内訳としては1%がエクイティー。1%がキャッシュになっています。

 

 

  Q:投資家とスタートアップはどのようにしてつながるのでしょうか

 

(Shantiさん)投資家は直接LetsvVentureのサイトに登録し、スタートアップ企業とつながることができます。投資家は登録されているすべてのスタートアップを閲覧することができ、サイトに登録することで興味のあるスタートアップにメッセージを送ったり、オフラインで会ったりすることもできます。それから投資家と話をする時間を設け、投資するかどうかを決定します。投資をするということはリスクでもあります。なので私たちはブログの記事で投資の方法や投資のリスク、投資の前の知っておくべきことを書くようにしています。30,000から50,000ルピーは「プレーマネー」であるとしています。これぐらいの額を仮に失ってた場合に生活に支障があると判断した場合には投資はおすすめできません。

 

Q会社設立までの経緯について教えてください

 

(Shantiさん)私がアメリカから帰国してからはNPOのファンドレイズをサポートしていました。NPOでファンドレイズをすることはとても困難なことでした。そこでクラウドファンディングのサービスを始めました。視野を広げて、インドのエコシステムに目を向ければ、アクセラレーターやインキュベーターが世界中にいます。そこでインド中にサービスを広めようと思ったのです。私の友人はスタートアップを立ち上げていました。彼女は7か月もの時間をかけ、インドやアメリカ、世界中の16の投資家から資金を集めていました。当時はオンライン上でつながることのできるプラットフォームはありませんでした。だからこそ私はスタートアップのための資金調達をするためのサービスを始めようと思ったのです。最初は多くの人々にそんな事業はうまくいかないと言われました。一つは見ず知らずの人間に投資してもらうためにオンラインプロフィールを作成するのは手間がかかる上に、自分が持っているコネクションを活かしてオフラインのつながりを活かした方がいいというものでした。二つ目はインドでなぜオンラインプロフィールを作成して投資家が資金を集められるのかという点です。これにはインドの社会、コミュニティーは信用できないという考えが背景にありました。しかし最近になってインドのスタートアップのエコシステムは成熟しつつあり、多くの場所で様々な議論が交わされています。私たちはちょうどこの時期に会社を立ち上げることができてラッキーだったといえるでしょう。エンジェル投資家の数もかなり多いです。このオンラインプラットフォームを利用するメリットは「時間の節約」です。起業家が投資家を探しやすいようにするためのプラットフォームなのです。

 

Qビジネスを立ち上げるまでにはかなり苦労されたようですが、どのようにしてつらい時期を乗り越えたのでしょうか

 

(Shantiさん)新しいことを何かする時には多くの疑問点が上がるでしょう。もしあなたが自分が新しく始める事業について全て知っていたとしたら、もう他の人間がその事業をすでに始めているはずです。誰も市場を正確に予測することのできる人間はいないですし、消費者の行動の変化を予測することもできません。私たちは億万長者をつくるために事業をやっているのではありません。私たちは会社をつくりあげていくプロセスが楽しいからこの事業を行っているのです。こうしたプロセスから雇用が生まれ、インドのエコシステムにより良い影響を与えていくこと。これが私たちの抱えている信念です。

 

Q:どのようにして共同創業者を集めたのでしょうか

(Shantiさん)最初はFind Co-Founderというグループ利用して共同創業者を集めました。そこでは創業者を探している人のリストが載せられおり、そこで私は共同創業者を探していました。そうしているうちに私の夫がいくつかコネクションを用意してそのときにSanjay Jha(共同創業者)に会ったのです。共同創業者を探す際には、彼らと「何を」するのかが重要になります。彼と昼食をとったのですが、彼と私は互いのアイディアの良い部分を引き出しあうことができたのです。彼はとてもテクノロジーに強く、非常に頼れる存在です。そのあと私たちは資金調達をすることになり、Manish Singhal(共同創業者)をアドバイザーに招き入れました。Manishは私達と働くうちに私達のやろうとしていることに非常に共感してくれて三人目の共同創業者としてLetsVentureに入りました。私たち3人はとてもよいチームワークで構成されているます。

 

Q:会社ではどんな人が働いていますか

(Shantiさん)社員は13人います。チーム構成としては財務、ソーシャルメディア、デザイン、エンジニアリングチームがいます。この会社で働いている人はとっても仲のいい家族の友達のようなものです。去年の夏にこのオフィスに構えたばかりで、最初はIITからのインターン生2人しかいませんでした。つまり創業者とインターン生2人の5人でLetsVentureは始まったのです。

 

Q:一番のチャレンジは何でしたか

 

(Shantiさん)初めてのファンディングがクローズすることでした。私達も投資家もスタートアップが成功するかどうかなんて完璧に予測することはできないのです。また、インドのスタートアップシステムでは様々なことが起こっています。マイクロソフトのようにベンチャーの出資している大企業もいます。大手企業であるリライアンスも投資を行っています。彼らは投資をするにあたり、Yコンビネーターモデルを採用しています。こうした場所で困難なことは私たちの強いプレゼンスを保つことです。そのためにはエコシステムに価値を提供し続けることが必要なのです。持続可能な価値を創造すること。これは私達にとっての大きなチャレンジです。重要なのは困難に挑戦し続けること。そうすれば答えが見つかると思っています。

 

Q:競合となる企業はありますか

 

(Shantiさん)競合企業といえるべき企業はありません。傲慢なようなように聞こえるかもしれませんが、インドのエコシステムにおいて競合はいないのです。競合ではなく、「他の選択肢」はあります。ムンバイのエンジェル投資家ネットワーク、デリーのエンジェル投資家ネットワークなどインド中に投資家を募るネットワークがあるのです。私は彼らを競合であるとはいなしていません。私たちは協力してインドのエコシステムを創り上げていくのです。私たちの事業を含め、サービスを模倣することは非常に難しいといえるでしょう。オペレーションには手間もかかりますし、スキルも必要です。外側から見ればすばらしいことをしているように見えても会社の内側ではとてもつまらないやるべきこともたくさんあるのです。それはどこの成功している企業をみても同じです。

 

Q:将来インドのエコシステムはどうなっていくと思いますか

(Shantiさん)簡単に予測することはできません。今後更に多くの投資がプラットフォームに入ってくると予測されます。これはあなたが「誰を」知っているかではなく、「何を」知っているかなのです。あなたが正しい投資家を知っていれば彼に会いに行き、投資してもらえばよいのです。しかし問題は投資を受ける際には自分がどのようなポジションで、どんなプロセスで何をすれば投資まで行き着くことができるのか。とてもよいスタートアップはたくさんありますが、この「何を」という部分がわからないがために投資を受けることのできない企業は多いのです。私たちはそのプロセスを簡単にできるようにしています。

 

Q:バンガロールで起業すると何故良いのでしょうか

(Shantiさん)バンガロールはハイブリットなカルチャーがあります。北インド、南インドのどちらにも寄りすぎていない文化があります。人々はとてもフレンドリーで接しやすいです。アグレッシブではありませんが、とてもアサーティブなカルチャーです。自分の主張をはっきりと述べなければなりません。その文化ができてきた背景には一つはグローバル企業の進出です。もう一つは政治環境の変化です。インドの主要IT企業が参加しているNASSCOMのよう協会がイニシアチブをとってスタートアップの育成を目標に掲げているところもあります。変化が激しく成長が求められる環境では自分のポジションをしっかりと持たなければいけません。

(Ganeshさん)バンガロールはシリコンバレーともいわれています。チェンナイ、プネと比較したときにも私はバンガロールに決まました。メンター、アドバイザーもバンガロールにたくさんいます。

 

 

Q:日本の起業家へのアドバイスは何かありますか。

 

(Shantiさん)自分が何かやりたいアイディアさへあればそれを実際にやってみればいいのです。失うものは何もありません。誰もあなたの人生に答えを見出すことはできないのです。自分のやりたいことを突き詰めていけば自然とサポートしてくれる人が現れるはずです。自分のやっていることを信じきることが最も大切です。インドで何かやりたいことがあればまずは市場を見てみること。そして投資を受けたいのであれば私たちは進んで手伝います。他にもスタートアップのイベントはたくさんありますから、そうしたイベントに行って見ればよいでしょう。何をするにもやり方は一つしかないということはないのです。

 

 

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【写真はLetsVentureのオフィス】

 

【インタビュー後記】

 

今回はお二人にお話しを伺ったのですが、とても情熱あふれる方々でした。女性の創業者の方にお会いするのは初めてでした。最初は小さなオフィスで5人でスタートした会社。まさにベンチャー企業ですね。今では社員の数は13人に増え、とても仲は良いそうです。LetsVentureは世界中の投資家とスタートアップを結びつけいていますが、日本人の投資家はまだ二人しかいないということ。これから日本にいる投資家もインド企業への投資が増えてくるといいですね。

 

インタビュアー:大山