03_Fork roads

つい最近まで外資系世界最大手メーカーで新卒採用を担当しておりましたMです。
連載記事第3回目の投稿となります。

前回に引き続き、
日系企業と外資系企業の大きな違いの一つでもある総合職採用と職種別採用についてお話をさせていただきます。

ちなみに、前回冒頭でお伝えをした通り私は「専門職採用」推進派の立場です。
今回もその立場から私の見解を述べます。

そもそも「専門性」って何なの?
そう思う方がいらっしゃるかもしれません。

●新卒の方は、
外資系の新卒採用ホームページで「職種」をご覧ください。
例えば、某大手消費財企業ですと、
マーケティング、ファイナンス、人事、営業、など。
一度その部署に配属されると、基本的には専門性の変更はありません。
(稀にありますが、非常に高いポテンシャルと実績を問われます。)

●既に働かれている方は、
転職エージェントに登録し、現在どんな職種が募集されているのか、求人票を見てみる、
職務経歴書を書いてみる等、今までの経験で身についた自分のスキルを客観的に捉えてみてください。
特に、外資系企業での就職、海外での現地就職を視野に入れている方は、日系企業の求人票ではなく、
外資系企業の求人票に目を通してください。
日系企業と異なり、外資系企業の場合は「Job Description(仕事内容)」と「Requirement(候補者に求める要件)」が非常に明確です。例えば、Requirementには人事領域での実務経験4年以上、ビジネスレベルの英語力(TOEIC800+)、リーダーシップなど、の項目があり、それを満たしていない場合は書類通過さえ難しいと一般的には言われています。今自分が漠然と身に着けたと考えているそのスキルは、希望の企業が提示する要件を満たすのか?まだ、転職をする気が無い方であっても、今後の自己成長の方向性を決める客観的な指標として参考になるかと思います。

かく言う私も社会人4年目で初めての転職活動を経験しましたが、
それまで「専門性」なんて視点は微塵も持っていませんでした。
ただひたすら終電の時間まで働いて、できなかったことができるようになった、
それが自分自身の「成長」だと思っていました。
しかし、職務経歴書を書いたときに、
就職マーケットの中で、世界の中で、「自分は何屋か?」意識せざるを得なくなりました。
そのときに初めて「専門性」の視点に気付いたのです。
幸いにも私は1社目で少しは専門性と呼べるものが身についていたので、
2社目の会社にその強みを活かしてより良い条件で転職することができました。

また、給料についてのぶっちゃけ話もしておきましょう。

仮に、社内ITポジション(中途採用)にフィットする人材を探しているとします。
専門スキルの観点から2人の人材が候補として上がってきました。
Aさん33歳
日系企業勤務(営業3年、経理3年、IT4年)
Bさん26歳
外資系ITコンサル勤務(ITコンサル4年)

外資系採用の観点からすると、上記2名の給料は同じです。
なぜならば、
企業は「あなたができる仕事」「あなたができる役割」に対してお金を支払うからです。
社内ITという役割において、AさんとBさんのIT経験は同じ年数ですので、
ITに関する能力はほぼ同じだったと面接で判断した結果です。

当然、上記の例はシンプル化してお伝えしています。
実際の採用の場面では「前職での給料」や「その他の経験」も付加的な要素として、
判断材料になりますが、上記でお伝えした原則は変わりません。

前回もお伝えしましたが、
2008年のリーマンショック以降、「専門職採用」の流れは確実に加速しています。
・目まぐるしく変わる環境の中で企業も個人のスピードが求められている時代
・もしかしたら超大手と呼ばれている企業さえも破綻する時代
「専門性」はそんな環境を生き抜く中でのあなたの武器となります。

特に、ITという領域ではここ数年での「職種別採用」の流れが顕著です。
かつでは新卒総合職で採用した文系の学生を、入社後に手塩にかけて気鋭のシステムエンジニアに育成していた某大手企業R社も最近では、通常の採用とエンジニア採用のフローを分けて、更に入社時の給料も通常の職種に比較して高い給料を支給しています。
それだけ、この職種を取り巻く環境の変化が速く、専門性の市場価値が上がっているという証拠なのでしょう。

新卒で就職活動をされている皆さんは最初に身に着けるべき「専門性」は何にしますか?
現在勤務されている方は、「自分の専門性は・・・だ」と自信を持って語れますか?
ぜひこの機会に考えてみてください。

では、また次回。

まとめ:
・新卒の場合、「専門性」は「職種」を見ればわかる
・中途の場合、「専門性」は「求人票」を見ればわかる
・専門職採用において、企業は「専門性」に対して給料を支払う
・リーマンショック以降、「専門職採用」の流れは加速している