インドと日本をつなぐスタートアップ~TechJini~

今回インタビューしたのはTechjini。日本とインドとアメリカに拠点を持っているスタートアップになります。CEOのAmitさんはインタビューの一週間前には長期で2週間ほど日本 にいらっしゃったようです。日本のスタートアップではたらき、テクノロジーで日本とインドをつなぐビジネスを始めたTechjini。今彼らが見ているものは何なのか。彼らの成長してきた過程とこれからを聞いていきたいと思います。

 

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インタビュイープロフィール

CTO and CO-Founder:Amit Ranaさん(右)

CEO:Shamal Metha さん(左)

 

まずは自己紹介をお願いいたします。

Amitさん:1999年にコンピュータサイエンス学科を卒業し、インフォシスに二年間勤めました。そのあと顧客のつながりで、日本で仕事を探すことになりました。日本では1.5年ほどスタートアップで勤めました。そのあとはオンラインでドメインを提供する会社で働いていました。2004年にはインドに戻り、今の創業者であるShamalと共に起業をしました。

なぜ仕事の先として日本を選んだのでしょうか。
Amitさん:顧客とのつながりがあったことが大きかったと思います。又、当時2001年頃は現在と比べてインドでの数は非常に少なかったのです。15年前はインドはオフショアの拠点となっており、自分たち独自のサービスを提供している企業はほとんどありませんでした。

日本で働いてみてどうでしたか。
第一にインドの文化はリラックスしているのに対し日本の企業文化は仕事に対してまじめな文化だと思います。日本人は100%の仕事をしないといけないように感じます。又第二に、信頼関係の構築が日本でビジネスをする際には必要になってきます。

会社を設立した当初について教えてください。
まず私たちの会社はプネに設立され、2005年に始まりました。設立してから6ヶ月たったころに小さなオフィスは今ここにあるオフィスに移っていきました。私たちのアイディアは何かプロダクトをつくってそれを提供するというものでした。しかし、最初は企業の認知度が全くなかったため、誰も相手にしてくれなかったのです。なので最初はサービスプロジェクトとして他の企業にサービスを提供する時も無償であったり、割引を実施するなどして、私たちのサービスを試してもらいました。ビジネスの成功の70~75%はリファレンスが占めていると言ってもよいでしょう。当時はVenture Capital(VC)の数も多くなかったので、資金調達をすることもありませんでした。資金繰りには苦労しましたね。

なぜ会社を設立するにいたったのでしょうか。
直接のきっかけは私が働いていた日本の企業がつぶれてしまったことにあります。そこで私インドに戻り、Shamalと私はインドで新しくビジネスをすることにしました。彼とはもとから事業を興したいと話しあっていました。私は日本で彼はアメリカにいたのですが、その時も彼とはメールでやりとりをしていました。私たちは副業として起業することには賛成ではありませんでした。片手間でやってはうまくいかないと思ったからです、私たちには野心がありましたし、リスクをとることを恐れませんでした。なので私たちは会社で仕事をすることをやめ、私たちのやりたいことを始めたのです。

創業期から現在にいたるまでにどのような成長があったのでしょうか。

私達はこの会社を始めてから3年間は投資の期間だったと思います。もちろん最初は収益はあまり出ませんでした。それでもそのうちに私たちのサービスを求める要求が高まってきました。18人だった従業員も今では120人の従業員がいます。当初は日本のマーケットを対象に始めたビジネスでしたが、今では欧米諸国、それからインドに向けてサービスを展開できるようになっています。

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TechJiniのオフィスの様子。ビルの2階と3階にオフィスがあり、社員は100名を超えるという。

 

企業を成長させていく過程で困難だったことは何だったのでしょうか。
時期により異なりますが、創業期は企業インフラの管理が大変でした。次に企業が成熟していく段階でMindShiftを行うことが必要だったことです。
まず最初は社内のインフラ環境の構築です。例えば電気やインターネットの設備上の問題をマネジメントしなければなりませんでした。最初のオフィスにはトイレがありませんでした。なのでトイレに行くために毎回オフィスを出なければなりませんでした。又、当時は日本を相手にビジネスをしていたので、電気やネットが止まると非常に困りました当時は今よりもインフラ環境は整っていなかったのです。相手に説明するのも大変ですし、なかなか理解されがたいこともあり苦労しました。
次に困難だったことは会社がスケールアップした時にどうやってMind Shiftを行うかといところでした。私たちの強みは顧客目線でサービスを行い、そのサービスに対して御客様の喜んでもらいたい一心でやっていたところにあると思います。一方で、私たちはそれで満足していたのでバランスシートなどを見る必要性を感じていなかったのです。そのうち私達が会社をもう一段回成長させるためには、「数字」を見る必要があると気が付きました。従業員の維持管理や、コスト面などの数字をよく見るようにして経営状態を改善していきました。
後は優秀な人材を雇うことですね。どこの企業もスキルのある人間を求めますから高い競争率の中で人材を確保することは難しいです。

優秀な人材を確保するにはどうしたらよいのでしょうか

まず、優秀な人材を見つけることが先決です。優秀な人たちは待っていても来ませんから。そして採用した人たちを会社で仕事してもらうためにも、働く環境をエキサイティングなものにしておく必要があると思います。私たちの会社は自由で開けた環境をつくるようにしています。だから社員を無理につなぎとめるようなことはしません。自分が会社を出たいと思ったら出ればいいですし、私たちの会社に来たいという人がいればもちろん歓迎します。設立以来この会社で働いている人もいますが、最近は人の入れ替わりもありますね。

社員のモチベーションを上げるためにどのような努力をしていますか。

一つは仕事を何か任せる際にも例を見せることですね。何をやったら分からない状況はつくらないようにし、すぐに作業に取り掛かれるようにすることです。また、社員にチャレンジングなビジネスをできるようにしてやることです。ここでいうチャレンジングな仕事というのは自分の専門外の仕事も含んでいます。例えばコードを書いている人がデザインをやりたいと言ったら本人の意思に応じて仕事を任せるようにしているのです。もちろんやるといったからにはその仕事に責任を持ってもらいます。社員の仕事は経験によってではなく、自分が何をやりたいかで決まるのです。
また、第一月曜日は簡単なイベントをやっています。文化的なイベントもあれば技術的なイベントを会社で行うこともあります。それぞれの部署によっても違いますが、誰もが社内イベントに参加できるようにはしていますね。

社内の理念はどのようなものがありますか。
以下の4つあります。
1. 人を第一に
当たり前のことですが、私たちの考える「人」はいくつかあります。まず顧客がいます。次に従業員がいます。そして従業員の家族がいます。私たちの会社に関わっている人は全て大事にしています。
2.プライドを持つこと
自分にの仕事にプライドを持つことです。これは仕事のモチベーションを高めることにもなります。
3.能力を身につけること
自分の仕事を通じて、専門性を身につけることです。自分の仕事に誠実に取り組み、責任を持つことで社員それぞれに専門性を身につけることを求めています。
4.楽しむこと
これが一番重要です。自分の仕事を楽しむことが一番大切です。

会社のビジョンを教えて下さい。

私達は発展し続けるテクノロジーと共にある会社であるとあらゆる人から認知されることです。私たちは将来に向けてInternet of ThingsやWearable Deviceの可能性を信じ、そうした分野にも投資をしていきたいと考えています。私たちはテクノロジーをビジネスに有用なものとして使えるようにすることを目標にしています。

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オフィスには卓球台が。仕事の息抜きに卓球をすることもあるようです。

バンガロールのスタートアップ環境の変化はどのように感じていますか。
バンガロールは変化を続けており、インドの中でも最もスタートアップに適している環境だと言ってよいでしょう。ここ数年では起業家に対して、ビジネスのスペースであったり、サポートであったり、メンターシップが増えるなど、起業にふさわしい環境になりつつあると思います。今までは大学院を卒業した学生にとって、スタートアップは魅力的な就職先ではありませんでした。しかし今ではそうした流れも変わってきており、大学院を卒業し学生も職場としてスタートアップを選んでいる学生は増えてきています。

インドはアメリカのシリコンバレーに取って代わることはあるのでしょうか。
もし取って代わるとするなら、まだまだ先のことだと思います。アメリカのシリコンバレーとインドのシリコンバレーにそう大差はありません。あるとすれば投資額が圧倒的に違うことではないでしょうか。インドはまだまだ発展途上にあります。インドが発展を遂げた時、そこにはより多くの機会が生まれていることでしょう。なぜなら人々が購買力をつけ、中間所得者層が増えることで、ビジネスチャンスが増えるからです。

インドで起業したい日本人にアドバイスをお願いします。

インドのマーケットをよく見ることです。インドでビジネスをやりたいのであればどうぞやってください。なかなか簡単にはいかないと思いますが、ここ10年でビジネスは以前よりもだいぶ行いやすくなりました。 インドでパートナーとなる会社を見つけてビジネスを始めるのが良いと思います。

最後ですが、日本人に何か言いたいことはありますか。

山崎のウィスキーはおいしいです。笑

インタビューを終えて

お二人とも丁寧に質問に答えて下さり、とても紳士的な方でした。山崎のウィスキーなんてわたしも飲んだことはありません。笑 さすが日本人とビジネスをしているだけあるスタートアップであるなと感じました。これから欧米、インドと海外展開及び、国内向けのサービスを提供し始めようとしています。100名を超えるスタートアップがこの先どうなっていくのか楽しみですね。