こんにちは!インターンの大山です。
10月ともなると日本は肌寒くなってくる頃でしょうか。
ここバンガロールでは相変わらず過ごしやすい気候ですが、最近では少し暑くなったりと季節の変わり目で多少気温に変化が表れたように感じます。
季節の変わり目は風邪をひきやすいです。私もインドで風邪?(正式な病名は不明)にかかりました。インドの風邪は一回ひくとなかなか治らず本当に厄介です。
超絶腹を壊してほぼ1週間寝たきりの生活。
そんなインドの洗礼を受けた大山がインドの病院での体験談をもとにインドの医療事情について照会したいと思います。
これだけは気を付けておきたい病気
外務省のウェブページには以下の病気がインドでかかりやすい病気として挙げられています。
(1)消化器感染
食べ物や飲み物を介して感染するのが消化器感染症です。ウイルス性下痢,細菌性下痢はもちろん,腸チフス,パラチフス,細菌性赤痢,アメーバ赤痢,コレラ,A型肝炎,E型肝炎などがあります。旅行者や在留外国人にとって最もかかりやすい感染症です。日本人はとくにお腹をよく壊します。特に水道水や生水などはインドで極力避けるようにしましょう。(自分もこの病気にかかった可能性が高いかもしれない)
(2)デング熱・デング出血熱
デングウイルスというウイルスが,ネッタイシマカやヒトスジシマカ(日本ではヤブ蚊と呼ばれる蚊です)によって媒介されて感染する病気です。この病気にかかると全く起き上がれなくなります。私自身はかかったことはありませんが、インドで知人がこの病気にかかって病院に搬送されたことがあります。予防接種などはないので、インドに限らず家の多い地域でデング熱が広まっているような地域では蚊よけ対策を万全にしましょう。
(3)狂犬病
狂犬病ウイルスを保有するイヌ、ネコおよびコウモリを含む野生動物に咬まれたり、引っ掻かれたりしてできた傷口からのウイルスの侵入によって発症する人獣共通感染症です。インドは狂犬病の犠牲者が世界で最も多い国で,年間1万5千人以上が狂犬病で亡くなっています。実際私がインドで住んでいる家の周りにも犬がたくさんいます。夜になると活発にになるのか物凄い勢いでほえてくるので狂犬病のことを考えると恐ろしいです。犬対策のためにも夜間の外出はできる限り避けた方が良いかと思います。
他にもマラリアや結核、チクングニヤ熱などがかかりやすい病気として挙げられています。こうした病気にかからないことが一番ですが万が一かかってしまったら近くの病院で診察をうけるようにしましょう。
もしも病気にかかってしまったら
もしも病気にかかってしまったらまずは病院で診療を受けることをおすすめします。
外務省のウェブページに24時間対応の病院一覧がございますのでそちらを参照頂ければと思います。
実際に病院の手続きはどのようにしたらよいのか。
私は外務省のページが推奨しているManipalホスピタルという病院に行ってきましたので実際に私が行った手続きを参考に記したいと思います。
<手続き>
1. 外国人窓口に相談する
2. 医療機関の登録を行う(カードの発行/200Rs.)
3. 総合案内で看護婦さんに症状を説明→該当する診療科に案内(待ち時間は1時間ほど)
4. 医師による診察(Medical Reportを渡される)(500Rs.)
5. 薬局にMedical Reportを提出し医師から処方された薬を受け取る(薬代:400Rs.)
合計費用1100Rs.
実際にかかった費用は日本円にして2000円しない程度だったのでキャッシュで払うことができましたが、
緊急で搬送された場合はインドとはいえど、相当な金額を取られることが想定されるので、海外保険に入っておくことを強く推奨します。
こちらの病院では私の契約していた保険会社と契約を結んでおり、キャッシュレスの対応が可能ということでしたが、実際にはキャッシュレスの手続きは事前に保険会社から現地のエージェントを通して手続きを行っておかなければならず、書類の記入が必要だったりと結構面倒。もし保険会社のキャッシュレスサービスを利用されたい方は事前に手続きを済ませておくとよいと思います。
*ちなみに今回私が行った病院がこちら↓
Manipal Hospital
所在地:98, HAL Airport Road, Bangalore 560017
電話番号:080-25024444,25023344,080-25023888(外国人専用)
FAX:080-25266757
Webサイト:http://www.manipalhospital.org
概要:1990年設立でベッド数650床の大病院です。最新の医療設備をそろえ,先端医療も行っています。患者数が多いので,受診前に予約することをお勧めします。
意外とすごいインドの医療
私も今回インドの病院に行って思いましたが、インドの医療機関のレベルはすごいです。(症状をうまく伝えられたか微妙でしたが、医師の的確な?判断で処方してもらった薬で病気は治りました。)
インド医療の何がすごいか。
インド医療のすごさを以下の三つにまとめてみました。
〇医療の質が高い!
ニューデリーやムンバイなどのインドの大都市では欧米で研修を積んだ医師がおり、研修医のレベルは世界レベといってもよいでしょう。大病院では医療施設は充実しています。脳外科手術、バイパス手術、眼科治療などあらゆる分野の治療を受けることができます。インドでこうした医療技術が普及している背景には、経済成長の傍ら、急激に医療ビジネスが伸びているということが挙げられます。
〇医療費が安い!
インドの医療費は欧米などの先進国に比べて圧倒的に医療費が安いです。インドの医療費は欧米に比べて5~10分の1程度の値段で治療を受けることができます。安さの理由は物価水準の低さと人権費の安さです。インドのこの医療費の安さを活かして「メディカルツアー」なんていうツアーもやっています。これは代替えヘルスケアなどと呼ばれています。米国では国内で高い医療費を払い、病院のベットも数十人待ちといった状況を避けるため、安価な費用で休暇などを利用して緊急性を要さない手術(眼科手術など)を新興国で受けることがはやっているようです。
〇貧困層向けの医療ビジネスがすごい!
インドの貧困層向けに安価で質の高い医療技術を提供している病院にアラビンド・アイケア・ホスピタルという眼科医院があります。質の高い医療を貧困層の人びとは受けられないという前提を覆したのがこの病院なのです。この眼科医院では年間250万人の患者を診察し、年間30万件の手術を行っています。コンセプト大量に手術することによって患者一人あたりの手術費用を下げるというもの。どこでも誰でも安く食べられるマクドナルドがビジネスモデルとのこと。人口の多いインドだからこそ出せたアイディアなのではないでしょうか。
まだまだ課題の多いインドの医療
今までインド医療の素晴らしい点ばかり触れてきましたが、乗り越えるべき課題はまだまだたくさんあります。
インドのヘルスケアのインフラまだ整っているとは言えません。病院や医師の数はインド全人口に対して全く足りていません。2000~2009年の平均病床数は人口1万人あたり9床となっており、人口1万人当たりの平均医師数は6人です。アメリカは31床、27人であることを考えると医療施設の数も医師の人数も人口に対して足りていないといえるでしょう。
またインドでは公立病院と私立病院の間で受けられる医療の質と価格に大きな差があります。
インドでは私立病院の方が高いレベルの医療を受けられると言われています。背景には医療ビジネスが人気になってくる過程で優秀な医師が高い賃金を条件に公立病院から私立病院へと引き抜かれてしまっているという事実があります。
いかがでしたでしょうか。いずれにしても、病気にならないように普段からうがい手洗いなど基本的なことに気を付けておくことが必要です。せっかくインドにきてもずっと寝てるだけで何もしないで帰ることになったなんてことになったら大変ですから。やはり健康が一番。特にインドのような新興国に行く場合には健康管理をしっかりしておきましょう。