【連載記事⑦】インドスタートアップ事情~KarmaSnap~


ソーシャルグッドを広めるスタートアップ~KarmaSnap~

今回はCloudFundingを利用したアプリ、KarmaSnapの開発チームを訪れました。案内された場所に行ってみると屋上の小屋のような場所にオフィスが。本当にこんなところで働いている人々がいるのかと覗いてみると本当に働いていました。まさに雰囲気はStartup。小さなオフィスで大きなお金が動いていると思うとわくわくしますね。今回は開発チーム全員にインタビューしました。

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インタビュイープロフィール(右から)

①Gauthamさん:マーケティング担当。Bioflukes 及びLabCriticsのCEOを務めた経歴あり。

②Ram さん:CEO。Hult 国際ビジネススクールを卒業後、タタコンサルタンシーにてWebデザインに関わる。

③Mahboobさん :デザイン及びビジネス開発担当。Labcritics 及び LetsLunchの共同創業者を歴任。

④Jayanand さん:CTO。Tansquareを起業した経験あり。

Karmasnapのサービスについて教えてください。

Karmasnapは「善い行い」をモバイルを通じて社会に広めるアプリです。非営利団体を始め、個人もこのアプリを通じて写真を撮影し、それを投稿することで自分たちの活動にクラウドファンディングを募ります。Karmasnapはそのプラットフォームとなっているのです。現在は10の非営利団体が登録をしており、個人ベースでは500人のユーザがアプリの登録をしています。来年以降は起業のCSR活動も対象にアプリの運用を進めていこうと思っています。マネタイズの方法はファンドレイズで得た一部の資金や、活動のコンサル費用、プロモーション費用を得ることで事業を運営しています。

KarmaSnapとはどういう意味なのでしょうか。

まず、Karmaとは「アクション」です。KarmaにはよいKarma と悪いKarmaがあります。自分の起こした良い行動は自分に返ってきますし、自分の起こした悪い行動も自分に返ってきます。私たちはKarmaSnapを通じてよいKarmaを世界中に広めたいと考えているのです。次にSnapですが、これは文字通り写真です。個人や団体が投稿した写真を通じて善い行いを広めていきます。

 

KarmaSnapの生い立ちについて教えてください。

当時はサンフランシスコでハッカソンなどのイベントにも参加していましたが、その時点では私たちは自分の取った写真をSNSやインターネットに投稿するというビジネスを提案していました。モバイルユーザーの一人ひとりが写真を撮ってそれをネットに投稿すれば大きな社会的なインパクトを興すことができるのではないかと考えたのです。ファンドレイズをしているうちに私たちはGlobal Acceralator Program でドバイの投資家から30,000USDの出資を受けました。それからドバイへ向かうことになったのですが、そこで分かったのはNPOのニーズでした。自分たちの活動を何かしらのツールを使って広めたいというニーズがあったのです。ドバイはムスリムの国でもあるため、チャリティー精神が豊富でした。私たちはそこからヒントを得て、ドバイからインドへとサービスを展開するようになったのです。私達の事業は「リーン・スタートアップ」をモデルにしています。最初から具体的なサービスの内容が分かっていた訳ではありませんが、試行錯誤を繰り返していくうちに今の事業モデルにたどりついたのです。

何故このようなサービスを始めたのでしょうか。

NPOには自分たちの活動を広めるツールがないからです。民間企業に比べれば資金もテクノロジーも足りていないというのが現状です。こうした現状は変える必要があると思います。彼らの活動を私達のテクノロジーを通じてよりコストエフェクティブにしていくことは私たちの目標です。

起業してから一番大変だったことは何でしょうか。

ファンドレイジングです。投資家を説得するのはとても困難なことです。私たちはどれだけ社会にインパクトを与えることができるかということを重点的に投資家に説明をしました。よりよい投資家は社会に対する影響を評価するポートフォリオを持っています。まずはそうした投資家を探すことが必要でした。投資という観点でいえば日本のソフトバンクや楽天なども社会的な投資に関心があるようですね。私達も機会があれば投資を受けたいと思っています。

採用活動に関して、候補者に求めることは何でしょうか。

リスクを取ることを恐れない人に来てほしいですね。クレイジーなぐらいがちょうどいいです。もしスキルがあるのであれば5歳の赤ん坊だって雇いますよ。冗談ですが。今は特にサーバサイドのプログラミングスキルであるJavaができる人材やiOSのデベロッパーが必要ですね。

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働く環境はどうでしょうか。

私達はチームで働くことを好んでいます。家の遠いメンバーも最近はオフィスでよく作業をしてくれるようになりました。オフィスを見たからわかるでしょうけども、私たちのオフィスはシリコンバレーにあるような「ガレージ」は持っていません。特に新しくできたIT企業に立派なオフィスは必要ないのです。なぜならインターネットがあればどこでも作業できるからです。これはソフトウェアのスタートアップのすばらしいところですね。事業に関係のないコストはできるだけ減らす。家賃にお金をかけるよりも事業にお金をかけた方がよいのです。

日本人で起業を考えている人にアドバイスをお願いします。

起業で大事なのは楽しむことを忘れないことです。いったん起業をしてしまえば、資金繰りには苦労することになります。不要なコストを削減し、収入の基盤をつくることが必要です。事業が大きくなるにつれて周囲からのプレッシャーも大きくなります。そうした中で辛く忙しいときも仕事を乗り切れるようにするためには仕事を楽しんでいる必要があるのです。

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インタビュー後記

今回のインタビューではKarmaSnapのプロジェクトに関わっているメンバー全員が集まってくださり、全員にインタビューをするという初めてのインタビューになりました。仕事をするために場所は選ばないという彼らの言葉は何ともスタートアップらしい言葉だと言えると思いました。ドバイから出資を受け、今後は海外にサービスを展開していくKarmaSnap。今後の成長が楽しみです。